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相生山緑地の読売記事 After~3

前2回の記事 こちら と こちら の続きです
これまでも書いてきたことと重なりますが 課題提起としてまとめてみます


1. 世論を二分し、長年注目されてきた相生山の道路。判断を(議会からも)託された河村市長が「計画廃止」を決めた。「都市計画審議会」での法的手続きも速やかにすすむだろうと思うのは誰しも同じ。しかし、市長判断についても、その後の進捗状況についても、市民への説明責任は一向に果たされない。一般市民には情報公開請求も縁遠い。

 こうしたなかで、今回の読売新聞の記事は期待をもって読まれたようです。けれど、マスコミの限界があります。新聞紙面の限度もあります。
 名古屋市(市長・担当部局)が、この報道によって覚醒されることを期待しています。
森の陽P8173264 (640x480) (2) 森の8月の夕陽

2.(意図された)人工と(人為的改変を受けた)自然、その区別と対応に課題があると考えています。

 相生山の道路遺構シェルター上部は「似せてつくられた」人工物です。ヒノキ林や竹藪は、人が収益を求めて植えたものです。緑地南部のサクラ並木もモミジ谷も、元は開発地の景観のために植えられたものです。
 これらは人工のものです。人が責任を持つべきものです。時に手入れを要するものです。

 相生山の樹林地の多くは、人が生きるため長年にわたって山地を利用させてもらった結果、現在の姿(二次林)になっています。人が手を入れても、自然の遷移は進みます。長い目で見れば、それを人は押しとどめることが出来ません。

 ヒメボタルは相生山の象徴種として注目されていますが、その他にも絶滅危惧種・希少種は多く生育、生息しています。また普通種のコナラ・アベマキ・マツ・シイ・カシなどで構成されている相生山の樹林であっても、大都会の真ん中では貴重なものです。自然と人との関わり合いの歴史の結果、いま在る相生山緑地そのものが貴重です。 
森の朝日P8203269 (640x480) 8月の森の朝

「公園整備については生態系を壊す可能性がある。相生山のありのままの姿を後世に残す工夫こそ必要」記事中のこのコメントは、私たちの共通認識です。

3. 「自然保護」や「環境保全」を語りながら、野放図な開発、利便性や営利の追求に異を唱えず抑えようとせず、「許される活動」だけをしていて良いのでしょうか。「自然観察」で終わっていては、もったいないと考えています。

 戦争、原発、リニアなど、環境を破壊する人間の欲はとどまることがありません。地球上の生態系の一部であり、その頂点に位置しているヒトにとって、放置は生死にかかわること。そろそろ、コンパクトシティ現実化に向けて動き出さなければ、手遅れになると感じます。

 相生山の課題は、人が現在突きつけられているこうした課題そのものです。倫理的科学的真理をもとめて、衆知を集め、検討を重ねる、その慎重さ=ていねいさを求めたいと思います。

4.「世界のAIOIYAMA」について
①「これからは自然を大事にするという精神で行く」ために、着工済みの道路事業の計画を廃止する、ということだけでも世界の模範となりましょう。さらに、②この地特有の「生物多様性の保全のための森づくり」理論から脱却し、「相生山のありのままを残す工夫」を ③市民の総意として実現できたなら、それこそが「世界のAIOIYAMA」として誇れるものになるでしょう。

 「執行済みの29億」への批判を意識した「道路遺構」のリサイクル活用や、「人集めのための仕掛けづくり」などを念頭にした「公園整備」はさらなるムダづかいであるばかりか、あらたな環境破壊を呼び込む「負の遺産」になるだろうと危惧します。

 未来に対応できるように、市民の声をとりいれ、道理に合わない「理論」を超えることが求められていると思います。
20-展望地にてIMG_5566 (800x533) (2)
「相生山の四季を歩く会」2017.5

5. 相生山の森のいのちたちと出会うことは、こうしたことを考えていくきっかけになるはずです。これからも、森の案内・情報の提供・疑問や不安の提起・行政への提案などを通じて、相生山緑地に集うものとしての役割を果たしていきたいと思っています。


かんたんに書こうと思っていたのに 長くなってしまいました
皆さんの感想が頂ければ ありがたいです
名古屋市民にとどまらず 全国から 世界から
よろしくお願いいたします

    by  アイ

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genre : 地域情報

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Re: 観察 仮説 実験 考察 

ノート様

 これからも ご意見ご指摘 よろしくお願いします
 なかまの一人の 高岡さんから学ぶことが多かったのですが
 彼を失った今 (気負うことなく)前を向こうとしています

観察 仮説 実験 考察 

複数のテーマについて簡潔まとめられていて、わかりやすく、参考になりました。

多様な分野の勉強と、幅広い視点での考察の必要性を再認識しました。
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プロフィール

森の妖精  アイ

Author:森の妖精 アイ
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