森に巣箱は似合わない
相生山の森を歩いていて ずっと思ってきたことがあります
自然の樹林 コナラの枝に吊るされた 人工の巣箱

野鳥たちにとって それは ありがたいことなのだろうか
「自然保護団体」を自認する人びとが 餌不足の野生動物の「ために」
木の実を集めて 生息地の森林に運んでいたことについて
かつて 森林・生態系の識者の方から お聞きしたことがあります

「困難を自力で克服できる 強い個体の遺伝子が残っていくことが
種の存続には必要不可欠と思われます その意味からも
人間に助けられることによって生存できた個体は 望ましいとはいえない」
「人が自然へ手を出さざるを得ないとしても 生態系の全体を見なければ
人の好みや都合で 特定一部分だけを「保護」「援助」しようとしても
結果は その意図のみならず 全体をも崩してしまうだろう」

相生山緑地で 「自然保護」「野鳥のために」活動しているつもりで
巣箱を掛けることで 野鳥たちの生活力を奪っていないでしょうか

野生生物たちの生育環境を 困難にしている大きな要因は
人間が 必要以上の利便性や利潤追求のために
無制限とも思える「開発」を とどめようとしないからだと思います
戦争・原発を やめようとしない 自然に対する傲慢
この根本を見なおすことなく 「保護者」面した行為を続けても
それは 人間の自己満足 あるいは 真実を見ようとしない狡猾
人間の環境破壊に屈しない野生の営みを 妨害することにしかならない
最近の私は そう思うようになりました 如何でしょうか?
by アイ

- 関連記事
-
-
育つ木 変わる森 2016/07/16
-
ライチョウ vs カラス ⇐ ヒト 2016/06/15
-
ただ今 学習中・・・ 2016/02/27
-
ヒメカンアオイの減少化傾向について 2016/02/25
-
森に巣箱は似合わない 2016/01/30
-
天地(あめつち)の憤りと政(まつりごと) 2015/09/14
-
夏の終わりに・・・・相生山 森の未来 2015/08/28
-
森を・・・? 自然と人間 2015/08/14
-
人はどこまで? 2015/05/04
-