アベマキ(棈)

「この木は なんという木ですか?」
相生山の四季を歩く会で聞かれました
「よくぞ聞いてくれました これがアベマキ 今話題の政治家とは無関係ね」
照葉樹林帯の二次林 コナラ・アベマキ林 その主役の高木(こうぼく)です
「この木に馴染みのない貴女は もしかして関東あるいは九州出身の方ですか」
本州の真ん中に自生する種 よく似たクヌギ(櫟)と棲み分けているかのよう

春 緑地真ん中の梅畑横にソメイヨシノ(染井吉野)が咲いてたとき
その隣に 芽吹きを待つ 20m近い大きな樹木があったでしょ

ブナ科コナラ属 コナラ(小楢)によく似た花
葉は クリ(栗)にもそっくり クヌギ(櫟)にもそっくり

そして 今 相生山の森に ドングリが 実り始めています
昨年の初夏に受粉し 今秋熟する 「じっくり2年型」戦略を持ってます

星状毛という細かい毛が 葉裏にびっしり
緑の時も 落ち葉になっても 白く見えます
この特徴で よく似たクヌギやクリと区別できます
そして この樹皮

名前の アベは岡山方言で あばた(痘痕)のこと
コルクの代用として利用されたこともあるそうです
マキは真木 真木は薪 人間生活の燃料を担った 真に役立つ木
相生山にも 中世の窯跡があります
この山裾に住んだ人々は アベマキを大事に育て 更に植えたかもしれません

相生山緑地に 現在も私有地を持つ 菅田(すげた)集落
名古屋市街を望んで アベマキの樹林帯 いきものも濃い区域です
ここを通るといつも 人と森の長い付き合いに 思いをめぐらすのです
by Oak.

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