すみれ草

すみれ程な 小さき人に 生まれたし 漱石
大きなもの強いものより スミレくらい小さな人として 生まれ生きたい
・・・と読んで 好きな句にしています
スミレ 小さいけれど 実はしたたかで強い なので 美しい花
博識の漱石は きっと知っていたが故に詠んだに 違いありません
権威への反発 世間への警鐘 も潜んでいそうな・・・一句

山路来て 何やらゆかし すみれ草(ぐさ) 芭蕉
お座敷の詩作を脱し 自然の中に歩いた 面目躍如
山路だから きっとタチツボスミレ その青紫に こころ惹かれる
芭蕉の自然観察 その心もち 色彩感覚 生き方の潔さ

亡くなった私の父は 漱石と芭蕉と菫が好きでした
この季節になると 命日ではないのに 偲ばれるのです
相生山緑地を 二つの句に似合う スミレを探して歩きました
by Oak.

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