相生山から名古屋市へ・・・(下)
河村市長は「これからは自然を大事に、でいく」と宣言したけれど、名古屋市の「自然との共生」施策は余りにも一面的で不充分だとずっと感じてきました。
植えた草木、どこからか連れてきて繁殖させた動物を、人はときどき間違えて『自然』と認識しています。自宅の庭の花、植物園の樹木、動物園のゴリラやコアラを「自然」ととらえるのは間違いです。人工林と自然林はよく見ると全く違います。人がつくった公園や庭園を見て、「自然豊か」とは言いません。
相生山緑地の東端、相生口から「道路」着工済み部分が覗けます。ここに育っていた立派なコナラ(小楢)の林が壊され、表土が剥ぎ取られ、道路の基礎工事が始まって中断、放置された区域に今、自然が戻ってきています。
人が手を加えないことが自然です。太陽と大気と水と野生生物に任された生態系の復活です。

私たちは「自然を大事に」と語るとき、「人為によって破壊される生態系のことを考慮しよう」と提案してきました。「自然のままに放置する」ことだけを提唱しているのではありません。場所によっては、たとえば手つかずの原生林や海洋には、人が接することさえ充分な注意が必要でしょう。
しかし、相生山はそんな場所ではありません。生物相が暖帯性の雑木林(=二次林)であることが示すように、歴史的に人によって破壊されたあと、自然に遷移してきた区域です。
ですから、名古屋市の戸田川緑地「西の森」のような、河川の氾濫域に『意図的につくられた森』とも全く違っています。
ていねいに、いろいろ分けて、それぞれの対応が求められます。それが「自然を大事に」ということだと思ってきました。

名古屋市の都市構想では「自然との共生」とか「市民の利活用」とかを掲げていますが、そもそも自然とは何か、共生とはどういうことかの問い返しが為されていないか、弱いのを感じてきました。
相生山の意見交換会では、「相生山の何が大事なのか」「どんなことを後世に残すのか」「行政は、市民はどうすればいいのか」を根本的に考えていく必要があると思います。相生山の「オアシスの森活動」への見直しも必要でしょう。

ヒトへの新型コロナウイルス感染拡大は、私たちに何を課題として突きつけているでしょう。マスクや手洗いなどの日常生活習慣を改めればいいのですか。人類の活動スタイル、生産形態や世界経済や、自然生態系に対する向き合い方が、今こそ問われているのではないですか。
こうしたことにまで考えを至らせてこそ、「世界のAIOIYAMA」を誇れると、長い間の対立意見が止揚できると思うのです。
そうした「意見交換会」が一刻も早く実現していくことを望みます。みんなで検討すべきことは、高く大きく迫っているのです。参照:こちら
3回にわたって、現在の問題意識を書きました。このブログのタグ【道路は要らない❢】【人と自然と】【名古屋市への意見・提案・要望など】の過去記事も一読されて、ご意見を頂ければありがたいと願っています。
by Oak

植えた草木、どこからか連れてきて繁殖させた動物を、人はときどき間違えて『自然』と認識しています。自宅の庭の花、植物園の樹木、動物園のゴリラやコアラを「自然」ととらえるのは間違いです。人工林と自然林はよく見ると全く違います。人がつくった公園や庭園を見て、「自然豊か」とは言いません。

相生山緑地の東端、相生口から「道路」着工済み部分が覗けます。ここに育っていた立派なコナラ(小楢)の林が壊され、表土が剥ぎ取られ、道路の基礎工事が始まって中断、放置された区域に今、自然が戻ってきています。
人が手を加えないことが自然です。太陽と大気と水と野生生物に任された生態系の復活です。


私たちは「自然を大事に」と語るとき、「人為によって破壊される生態系のことを考慮しよう」と提案してきました。「自然のままに放置する」ことだけを提唱しているのではありません。場所によっては、たとえば手つかずの原生林や海洋には、人が接することさえ充分な注意が必要でしょう。
しかし、相生山はそんな場所ではありません。生物相が暖帯性の雑木林(=二次林)であることが示すように、歴史的に人によって破壊されたあと、自然に遷移してきた区域です。
ですから、名古屋市の戸田川緑地「西の森」のような、河川の氾濫域に『意図的につくられた森』とも全く違っています。
ていねいに、いろいろ分けて、それぞれの対応が求められます。それが「自然を大事に」ということだと思ってきました。

名古屋市の都市構想では「自然との共生」とか「市民の利活用」とかを掲げていますが、そもそも自然とは何か、共生とはどういうことかの問い返しが為されていないか、弱いのを感じてきました。
相生山の意見交換会では、「相生山の何が大事なのか」「どんなことを後世に残すのか」「行政は、市民はどうすればいいのか」を根本的に考えていく必要があると思います。相生山の「オアシスの森活動」への見直しも必要でしょう。

ヒトへの新型コロナウイルス感染拡大は、私たちに何を課題として突きつけているでしょう。マスクや手洗いなどの日常生活習慣を改めればいいのですか。人類の活動スタイル、生産形態や世界経済や、自然生態系に対する向き合い方が、今こそ問われているのではないですか。
こうしたことにまで考えを至らせてこそ、「世界のAIOIYAMA」を誇れると、長い間の対立意見が止揚できると思うのです。
そうした「意見交換会」が一刻も早く実現していくことを望みます。みんなで検討すべきことは、高く大きく迫っているのです。参照:こちら
3回にわたって、現在の問題意識を書きました。このブログのタグ【道路は要らない❢】【人と自然と】【名古屋市への意見・提案・要望など】の過去記事も一読されて、ご意見を頂ければありがたいと願っています。
by Oak


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