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いろいろあることの大切さ

 先月の新聞記事です。
みどり答申IMG_0002 (1024x280)
 気になったのは「現行計画が優先していた緑の保護から、緑地や公園の活用へ重点を転換することが柱」のくだり。審議会には生態系や環境問題の専門家も参加しているでしょうに、名古屋市の「緑の」現状をどうとらえたのでしょう。「開発」を抑制しようとはせず、与えられたちんまりとした「緑」の利活用で満足させようということなのですか。それを「みどりと人がきらめく自然共生都市」と美辞麗句で呼ぼうとするのでしょうか。
 思い出したのは、「森づくり」で宣伝される「西の森」=戸田川緑地のこと。
西の森⑥IMG_0375 (640x427)
 庭園風に造られた公園、人工の森林。植樹盛んに、芝生広場と公園設備。憩う市民たち。
西の森③IMG_0371 (640x427) 西の森⑤IMG_0373 (640x427)
 ひるがえって相生山。人工の「西の森」とは歴史も経緯もちがうのに、あんなに見事なコナラ-アベマキ林からシイ-カシ林への自然遷移の雑木林が広がっているのに。その中に、わざわざ植樹を進めている区域があります。
植樹①IMG_0297 (640x427) トンボ池IMG_0288 (640x427) 植樹②IMG_0299 (640x427)
 科学的根拠にとぼしい「アカマツ林再生」のための伐採。お気に入りの樹木だけ残して、「野鳥のために」巣箱をかけて。いろいろあっての自然、人の「保護」を受けずに生きているのが野鳥なのではないですか。それは「生物多様性」「生態系保全」の掛け声とは異質なものに思えます。
伐開地②IMG_0273 (640x427) 伐開地IMG_0219 (2) (640x427)
 それこそ、(一部の)市民の(楽しみの)ための利活用。それは「緑の審議会答申」の先取り行動なのか、「なごや緑の基本計画」の前倒し実施なのか。
 シンボル-コナラ前の畑。自然に生育してきた草や樹木を伐採し、掘り返し「畑」にして、「里山の復活」を語る。なんと短絡で安っぽく底の浅い、「緑」の実践であることか。
シンボルコナラ立て看板IMG_0227 (640x427)
 冒頭の新聞記事の「答申」の内容について、名古屋市の担当部署に問い合わせました。「答申については近いうちに読むことができると思いますし、基本計画として正式決定される前に、パブリックコメントなどの形をとって広く市民の意見も聞きながら1年間かけて進めていきます」とのことでした。
 この件と直接かかわるものではないですが、名古屋市では都市計画のマスタープランについての市民意見を募集しています。こちら
 都市のあるべき姿、市民のしあわせを求めるために。
 自然との共生を語るなら、まず人が自然について学び、自然を大事にしようとしなければならないと考えます。

 すべての名古屋市の緑地・公園が、例にあげた「西の森」と同じように「利用される」必要はありません。10年前、相生山の道路に係る「学術検証委員会」では「相生山の特徴は何かをつかむことから先ず始めなければならない」と語られていたのに。いまだにそこが明らかにされていないように思われます。
 身近な相生山緑地の具体的な姿、そこで進む人間活動を照らし合わせながら、長期の道筋を見い出したいと思っています。

   by  Oak.

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