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忘備メモ―大前提

 名古屋市との意見交換 こちら にむけて、大前提となることを記録しておきたいと思います。
 先日の説明会の題目は「弥富相生山線の道路事業廃止及び相生山緑地の計画」でした。名古屋市の都市計画を変更して道路計画を廃止するための検討が行われてきており、廃止するための意見交換だということです。
ギャップ上部IMG_2268 (640x427)
 「建設を求める声も多く・・・」の一部報道記事がありました。事実とすれば、残念です。これまでの経過や情況を理解しようとしない頑迷な意見だと思います。 「せっかくあそこまでつくったのだから」という声はあります。道路をつくれば、何らかのメリットは生じましょう。けれど、それは必要不可欠なものなのか。失うもの、長期の見通しを考慮しても、どうしても道路は要りますか。
 相生山緑地の周辺を巡り、相生山の森の中を歩いたあとでも、そうお考えになりますか。
 要らないものは要らない。過ちは過ちと認めて、どうして誤ってしまったかと反省し、次に向かうことが求められていると思います。 
森の広場IMG_2245 (640x427)
 道路は廃止する。なぜ廃止するのか。ここはきちんとしておかねばなりません。その理由を明確にし、堅持する。そのことがなおざりにされているので、ことが混迷し進まないと思えます。 9年前の工事中止も、4年前も、「自然環境への影響を配慮して」「自然を大事にするために」と理由付けがされました。
 では、その自然とはどんなもの。どのように大事にするのか。この考察が不十分なら、人びとに説明が出来ません。「つくったものがもったいない」「計画を少し変更すれば理解が得られる」ということなら、使ったお金も時間もムダになるというものです。

 「自然を壊さないために道路をつくらないなら、大規模な公園を整備することもやめるべき」という意見が多くあります。この意見に対し、今の名古屋市の「素案」では説得力を持たないと私たちも思います。相生山緑地は公園緑地として都市計画の中で担保されたものです。 「公園」は個人の土地ではなく公の土地であるという法的位置づけであって、その内容はそれぞれであって良いと考えます。遊具が無くてもベンチが無くても公園です。ふだん人が来なくても、何かの時のための公園というのもあるでしょう。
第2橋台IMG_2238 (640x427)
 科学的証明が出来るものに限っても、相生山緑地は1万年前の縄文時代からの人の営みと森の歴史が残るものです。そもそも雑木林という樹林の形態は人間の影響を受けたものですが、しっかり区別して理解すべきことは、相生山は「雑木林にしよう」として成立したものではありません。
 相生山の土地を田畑として、住居として、森を燃料の供給地として、人間が利用させてもらってきた結果が今の姿です。利用しなくなって自然遷移したのが今の姿です。

 言いかえれば、意図的な人為的改変がほとんどされていない、ことが相生山の価値と思います。人間が自然を利用することで自然はどう変化したのか、もう利用しなくなったら自然はどうなっていくのか。それを間近に見、接し、学ぶことが出来る、そこに相生山緑地を大事にしていく意味があると思うのです。

 「相生山の生態系」にいくらかの配慮をしたとしても、自然と人との関わり方に、倫理的意味あいも含め根本的な考察が至らないとしたら、それは歴史の試練に耐えれない。また過ちを犯すかもしれないと、私たちは畏れます。

     by  アイ

 
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genre : 地域情報

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