今朝の朝刊 中日市民版から

採択された「請願」と 不採択の「請願」を取り上げた記事では
市民世論の7割が「道路建設反対」の主張と 「地元住民の意向」を併記

にもかかわらず 委員会の市議多数派は「起立多数」で片方を選びました
今回の請願書コピー

この要旨には疑問点が満載なのですが 事実誤認あるいは曲解の顕著な部分

(1)人工林の定義、植生遷移について、森林学、生態学の初歩的な知識の欠如。相生山緑地の植栽の歴史についての認識不足。相生山緑地には①山根口周辺に土地改良事業時のマツとサクラなどの植栽の名残り②稲田集落から久方への旧街道沿いの農耕地にヒノキ人工林=「道路予定地」として市有地に編入③南部の住宅地に植栽されたサクラ並木や庭園木などは存在しますが、「相生山は一度伐採された後に造られた人工林」というの正しくありません。相生山緑地の全域を総じてみれば、農耕などにともなう人為的改変、その後の自然遷移によって、現在は二次林のコナラ・アベマキ林からシイ・カシ林への移行中です。
(2)「ヒメボタルも人為的に持ち込まれた」と公式文書に書くのであれば、「いつ」「誰が」持ち込んだのかを明らかにすべきです。この文書の提出者は、この春以降、相生山近くの町内でチラシ配布をしていますが、そこでは「名城公園の外堀から持ってこられたものでDNAを調べればわかる」と記述しています。全国的なヒメボタル研究者はそのようにとらえてはおりません。
(3)それぞれの緑地に特有の生態系の特徴があり、おしなべて述べられるものではありません。たとえば小幡緑地と比較すれば、相生山緑地は周辺開発によって、その水脈が断たれ乾燥化に対してきわめて脆弱であるという実情をおさえておく必要があります。したがって「道路貫通」によって引き起こされる「エッジ効果」によるダメージは計り知れません。一つの種(例えばコナラとかヒメボタルとか)がある広域の範囲で(例えば名古屋市)の中で生育・生息できていて、(当面は)その地域での絶滅のおそれが無い、ということと、個々の生態系を保全することを混同して論じているようです。

秋がすすむ相生山の樹林 ここに しばらく身を置いてから始めてください
どうして このいのちの源を ないがしろにできるのでしょう
自然について 不充分なとらえ方しかできていない請願を 採択したのでしょう
たまたま昨日 菅原文太氏がレポータのNHKのドキュメンタリー番組で
「ひとは自然の一部であり、自然に活かされていることを自覚しないと・・・」
ご先祖様からひきついできた土と水と森といのちと向き合う 生き方の紹介
いったん 市長が「自然を大事に」と廃止を決めた 相生山の道路
名古屋市の市政は 自然を支配しようとし 自然に逆らって
市民の未来を壊そうとしかねない岐路に ふたたび迷い込むのでしょうか
by Oak.

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