クロミノニシゴリ(黒実の錦織木)
東海丘陵要素植物の一つ 相生山のクロミノニシゴリを紹介します

同じハイノキ(灰の木)科の サワフタギ(沢蓋木)そっくり
名のとおり 果実が黒いことと
葉の両面が無毛 ということで区別できます
東海丘陵要素植物とは
祖先となる植物が 地球の歴史のなかで さまざま変化し適応してきた結果
限られた この地域で 見られるようになったもの
言わば「地球史の生き証人」 たいせつに見守りたい植物たちです

クロミノニシゴリも 地質など東海地方特有の環境に
適応して誕生した 世界的に珍しい 固有種
基本的には 湿地の植物とされています
ところが 相生山緑地では 水脈から離れた所に 生育していました
学術的にも 大変貴重な木が 育っていたのでした

上は 昨2014年10月10日撮影
後ろのシャシャンボの 散策路側の何本かの枝 もろとも
幹の頂部と全ての枝が 何者かによって 切られてしまっていました


頂部 (誰かが何のためか結んであったヒモ)
これ見よがしに 根元に散らばったままの枝葉

前々から この木のことを話してあった 天白土木事務所に即連絡
やがて 立派な垣根ができました
すごく目立つのでどうかな・・・と思いましたが これ以降の犯行はなく
なんとか 新しい葉が出るようにと 通るたびに祈っていたのですが

5月中旬 小さな若葉を発見 6月10日には ここまで展開❢❢
実は この木が切られたのは 初めてではないのです
根元には 今より太い幹の切株が 見えています
いったい どんな人が どうして??
長い 自然の時間経過の中では
クロミノニシゴリが誕生してきたように
クロミノニシゴリが生育できなくなる変化も 起こりうるでしょう
しかし ヒトが 同じ地球に 今生きている いのちを
無分別に 滅ぼすなど 決して 許されないことだと思うのです
クロミノニシゴリが 希少種だとか
コナラを 好きだからとか
ヒメボタルは 綺麗なのでとか
区別して 「保護しなければ」 とは考えません
どの種も 私たちと一緒の時を 今生きています
この奇跡的神秘を だいじにとらえたいと思います
そんな思いが 次の世代にも伝わるように
「地球史の生き証人代表」の説明板が 垣根の横に立つといいなと思っています
by Oak.
