散策路の木道(相生口竹やぶ奥)
「工事始まる」の記事に
ご質問があったのでお答えします。
Q. この木道・・・ヒメボタルが発生する谷筋をまたぐ木道・・・と書いて
おられますが・・・つまり、ヒメボタル保護のための木道ですか?
散策者が歩きやすいようにするための木道なら、例の貫通道路と“五十歩
百歩” の不要な木道ですよ・・・ (中略)
木道設置の意義について、解説をお願いします。
A. 【経緯】
相生山の道路(市道弥富相生山線)工事が始まる前は、昔の集落を
つなぐ道(農道程度)が、東の相生口と西の稲田口をほぼ真っ直ぐに
結んでいて、「オアシスの森」の園路(散策路)にもなっていました。
《ラブリーアースのホームページの「相生山の四季を歩く会」配布資料の地図などを参照ください》 
市道建設工事着工(2004年)に
先立って、新しい散策路として、道路線上に重なる相生口から約200m
区間の「う回路」が設置されました。トイレ横から階段を上がり竹やぶ
沿いに斜面を下りる、現在みんなが歩いている道です。
竹やぶは西向き斜面でやがて谷筋になり、抜けたあたりは名古屋市で
は自生が珍しいとされるヒメカンアオイやマンリョウなども生育してい
ます。
また、この一帯はヒメボタル観察の絶好ポイントでもあります。

施工当時、『環境保全』がどの程度意識されたのか詳細は不明ですが、
ⓐ谷筋をせき止め埋めてしまうことが無い「木道」で跨ぐように造られ
ました。またⓑその先も谷筋斜面を「木道」でつないでいました。
経年劣化のため昨年度、上記ⓐ部分の「木道」付け替えが完了。
今年度はⓑの「木道」を撤去、斜面上部に新しい散策路を設置するもの
です。
【考察】
①(ヒメボタルが多く生息すると思われる)谷筋の地形が守られている
②ヒメカンアオイなどの「注目種」やガマズミ類など、この区域特有の
植生や景観にも保全の配慮がされている
③工事着工に際し、現地の掲示により広く市民の意見を募ったうえ
④ていねいな意見聴取や立ち合い案内などの配慮もなされ、市民と共に
「相生山の自然と人との関係」を考え、実践する姿勢が堅持されている
ことなど、大きな問題はないと考えています。
ありのままの自然がそのまま残っていくことが最善とするなら、
人はそうした場所に、一歩も踏み込まないでいるべきでしょう。
けれども、相生山はそういう場所ではないと思います。

人が自然のなかに入っていくとき、故意はもちろん不注意(不勉強)
によってでも、自然環境を必要以上に壊してしまわないよう、充分な
配慮や学習が常に求められています。
相生山でも、この原則が守られるよう、お互いに注意していきたい
ものですね。
by Oak.
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