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続・ナラ枯れ

前回のナラ枯れ調査 こちら からの続きです。
 樹林帯から出てきて、南部の住宅地から望むとコナラの樹冠が枯れているのがよく分かります。。。あんなに多くの本数が!
住宅地からナラ枯れIMG_4915 (2) (640x427)
 少し前に倒れたと思われるコナラ高木。原因が木喰い虫とナラタケ菌であったのかどうかは今となっては不明ですが、高齢化した木が自然の病か(自然の)気象かに因って、順に土に還っていくのは自然なことです。
コナラ倒木①IMG_4885 (640x427) コナラ倒木②IMG_4887 (427x640)
 園路工事中の私たちが「コナラの広場」と呼んでいる区域でも数本の木から木くずが出ていました。
 一見異常なしの個体でも、タマチョレイ科(=サルノコシカケの仲間)のベッコウタケ(鼈甲茸)の子実体が群れになっているのを見かけます。樹皮や幹の中が弱って菌類の繁殖を許しているのだと分かります。
木屑広場IMG_4944 (640x427) ベッコウタケIMG_4898 (427x640)
 ナラ枯れによって見慣れた樹林の景色が変わっていくのは寂しいし、森の主であるような太くて高いコナラが老いて倒れるのは残念です。
 でも、それはいのちの定め。自然の法則だから仕方ありません。 参照:ナラ枯れ病について想う こちら
ナラ枯れ③IMG_4905 (640x427)
 むしろ、「コナラの下にコナラの幼木は育たない」と言われるように、母樹の葉陰で日照不足のために絶えてきた子どもたちが育って次世代のコナラの森を形成するかもしれません。あるいは遷移が進んでコナラ-アベマキの落葉広葉樹林から、シイ-カシの常緑照葉樹林へと転換していくのかもしれません。
 そういうダイナミックな転換点を、今私たちが眼の前にしている。大きな自然の営みの目撃人になっていることにワクワクしませんか!
コナラ倒木③IMG_4893 (427x640) コナラ倒木④IMG_4895 (640x427)
 2~3年に倒れたコナラです。根元から折れて、主根は土の中に張っていますが、寿命ですから新しい萌芽更新は望めません。葉はほとんど落ち、小枝から力枝へ更に幹部も数年かけて土へ還っていきます。また新しいいのちの元が生じます。それが自然の理です。
健在IMG_4908 (640x427) 倒木根元IMG_4888 (480x640)
 人は自然に還らないものを作り出し、当然その処分が出来ずに自然の中に棄てるという愚かなことを繰り返してきました。兵器、毒、核、その汚染廃棄物。
 自分たちさえ儲かればいい、今が良ければ後のことはどうでもいい、そんな理から外れた行為は、間違いなくホモ-サピエンスという種を地球上から消滅させるでしょう。その先頭を、この国が歩んでいるようでたいへん悔しいです。
 願わくは、地球そのものを滅ぼしてしまわぬことを。

    by  Oak.

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ナラ枯れ

 相生山緑地の樹林地で、葉が枯れ色になっているコナラ(小楢)が何本か見られることは、先に記事に挙げました。こちら
 相生口から入った竹薮エリアのコナラは、片方の太い幹の葉が枯れています。緑地南部の徳林寺グラウンド北道路沿いでは、3本のコナラが枯れていました。
ナラ枯れ相生口竹藪IMG_4640 (427x640) ナラ枯れ徳林寺北IMG_4719 (427x640)
 名古屋市の関係部署に問い合わせたところ「名東区の緑地でも何本か見つかっている。カシノナガキクイムシ(樫の長木喰い虫)などによるナラ枯れが、また広がり始めたのではないかと思っている。人への安全対策を始めている」とのことでした。
 「相生山の四季を歩く会*8月」でも注意喚起し、コースで見られる何本かを観察しました。 こちら 参加者感想 こちら
ナラ枯れ④IMG_4904 (427x640) ナラ枯れ調査IMG_4899 (640x427)
 きょうはいつも歩いている区域とは別の、南部樹林地のようすを調べに行きました。予想以上に枯れた木があります。2時間程度で、40本ほどのコナラを見て回りましたが、その1/5が葉を枯らしていました。
ナラ枯れ樹林IMG_4896 (640x427) ナラ枯れ①IMG_4897 (427x640)
 さらに、その倍の木の根元には木くずがこぼれているのを認めました。もしかすると、先日見たコナラの谷の「黄葉色」こちら も、ナラ枯れの始まりの色だったのかもしれません。
木くず②IMG_4900 (427x640) 木くず①IMG_4903 (640x427)
 「キクイムシが入ったとしても、すべての木が枯れるわけではない。樹齢や生育条件などの違いによって分かれる。『抵抗力』のある木は樹液を出して自分を守る」と聞きました。
 ナラ枯れについての資料は こちら p.4 参照
ナラ枯れ②IMG_4907 (640x427)
 南部の住宅地も含め、緑地の全域を調べたわけではありませんが、散策路沿いの大木が何本も伐採された十数年前のように「被害」が広がっていくのかもしれません。  
 この稿、次回に続きます。

   by  Oak.

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遷移の局面?

竹の秋5月には モウソウチク(孟宗竹)の葉が重なっていた園路
最近 コナラ(小楢)の落ち葉が 広がっているのに気づきました
コナラ落ち葉①IMG_4641 (640x427) 落ち葉②IMG_4639 (3) (640x640)
見回すと 少し離れた高木の別れた幹の片方 葉が全て褐色に
枯損?IMG_4638 (427x640) 枯れ?IMG_4637 (2) (640x480)
「暑さが原因の一時的なもの」 ではないように思えます

別の区域 梅畑の西端でも 紅葉?に見えるコナラの老木
枯れIMG_4559(640x427) 枯れ幹IMG_4558 (427x640)
全木ではなく半分くらいの葉が枯れています

そういえば 相生口のマツ(松)も
だいぶ前から葉の変色が目立ち 今は完全に枯損木
相生口マツIMG_4620 (640x427)
相生山の樹林に 遷移の新たな局面が来ているのかもしれません

   by  Oak.

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初めまして!

初めて アベマキ(棈)の実生に会いました
ドングリの状態から この春芽生えた子に違いありません
未だ3ヵ月余り・・・・
アベマキ実生IMG_4035 (427x640) アベマキ実生ドングリIMG_4036 (640x480)
同じブナ科のコナラ(小楢)については 「相生山の四季を歩く会」でも
発芽したドングリ こちら や 2~3年経った幼木 こちら も観察してきたのですが
ドングリと一緒のアベマキの幼木は見たことがなかったのです
特別熱心に探してこなかったから でもありますが

陽樹のコナラは 相生山では日照不足のため 数年で絶えます
アベマキも陽樹です この子の行く先を見ていきたいと思います

   by  Oak.

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雨日タブノキ

緑の雨に タブノキ(椨)も濡れていました
タブノキ②IMG_3058 (427x640)
あんなこと が続いたのに たくましく育ってきました
四方から吹き上げる ことしの新しい芽が元気です
タブノキ①IMG_3053 (640x427) タブノキ③IMG_3057 (427x640)
この時期にタブノキを紹介するのは 初めてかもしれません
2月 冬芽のとき こちら
3月 ふくらむ芽 こちら
6月 展開した葉 こちら
幼い赤から 育った紅へ
ぐぅーんと伸びて 開く前の溜めを抱えて
タブノキ④IMG_3054 (2) (480x640)
降りしきる水を弾いて 空へ向かうタブノキに
コナラ(小楢)樹林の 明日が見えます

   by  アイ

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指標の花

カマツカ(鎌柄)が満開になったのは 「相生山の四季を歩く会/4月9日」
みなさんから歓声が上がりました こちら
9日後には ほとんどの花弁は散って 子房が膨らみ始めていました
カマツカ9日IMG_2752 (640x427) カマツカ18日IMG_2938 (640x480)
カマツカは このブログで初めに紹介した花の一つ こちら 9年前の4月25日
去年も春が早かったのですが カマツカ満開日は こちら

ズミ(酢実)も 初花を毎年注目してきました
ことしの一番花は こちら 特別早い・・・と思ったけれど
そうでもありませんでした 5年前は こちら 1日違い
毎年の開花記事は こちら
先週18日 ピークになったのようです 蕾が未だ残っていたので暫くは大丈夫? 
ズミ18日①IMG_2915 (640x427) ズミ18日②IMG_2914 (640x480)
ずっと以前は「ゴールデンウィークの花」でしたが 最近は こちら 4月で見納め

20日に満開を迎えた サワフタギ(沢蓋木)
サワフタギ20日①IMG_2958 (640x427) サワフタギ20日②IMG_2973 (640x427)
2020年までは5月初夏の花でした こちら ところが昨年は4月27日 こちら
ことしは更に 1週間早い

次に咲くのは エゴノキ
去年の5月8日「相生山の四季を歩く会」は エゴノキの見ごろ
「きょうはエゴノキの花を見るだけで大満足」 こちら でした
そして「温暖化で早い春」も この花頃には こちら「いつの間にか平年並み?」
今年は エゴノキ20日IMG_2895 (640x427)
昨日あたりから 寒く(涼しく)なりました
というより フツーの4月になった感じ

多数の樹木の厳密な記録を取っているわけではありませんが
目立って分かりやすい樹の花 広範囲ではなく特定の株を眺め続けていると
相生山の私的な「指標花」 何かしら見えてくるものがありそうで・・・・

   今日の記事はlinkが多くて お疲れさまでした
   by  アイ+Oak.

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プロフィール

森の妖精  アイ

Author:森の妖精 アイ
名古屋の相生山(あいおいやま)緑地 大都会に残された貴重な森のことをたくさんの方に知っていただくため情報発信していきます
人と自然の関わりについて ときに思いを述べます ご意見コメントいただければ嬉しいです
 
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