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タケノコカワニナからの警告

20230905_中日記事絶滅危惧種移植 (800x495)②
発見された絶滅危惧種、その生息地は「埋め立て予定地」だった、計画変更はせず移植した。記事にはそう書かれています。
何か変。もし計画検討中に発見されていたら、どうなったのだろう。
《そこに生きているからこその》いのちなのに、別の場所に移したら意味がなくなるんじゃない? 生きものって、自然って、環境って、そういうものじゃないの? そんなことを考えながら・・・
大江川埋め立て計画
名古屋市のホームページで〔大江川 埋め立て〕検索して https://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000122921.html
・・・とにかく現地へ行ってみました。
破砕場付近IMG_4996 (640x427) 大江川左岸②IMG_4998 (640x427)
名鉄常滑線の大同町駅から北へ、大江川の左岸です。流れは見えなくて、川というより入り江の感じ。対岸の不燃ごみ・粗大ごみ破砕工場が目立ちます。10羽ほどの水鳥を眺めながら堤防道路を上流方面へ。50年前に暗渠にして造った大江川緑地、その下流部10.3haを更に埋め立てる計画らしい。
緑地排水口IMG_5008 (640x427) 緑地IMG_5013 (640x427)
記事で特に気になったのは、この部分。大地震で「汚染土が出てくる」から「埋め立て」。つまり根本的な処理はしないで、隠しちゃうってことですよね。無害なものにはならないんですよね。大地震による津波や液状化が想定以上だったら、どうなるのかな?「当時の科学では最善を尽くしました」って後の世の人に言い訳するのかな。
以前に有害物質を埋め流失防止策は施しましたが、東日本震災の教訓から更に範囲を広げて埋めることにします。。。安心できますか?この地域は危ないから逃げよう、と先導するのが筋じゃないのかな。
20230905_中日記事絶滅危惧種移植③ (640x622)
大江川右岸、どのあたりが干潟になるんだろう。潮の時間は気にせずに出てきたことが悔やまれました。記事と市の計画書地図で見る限り、この川岸や水面下にタケノコカワニナが住んでるんですね。一部は移植されても、埋められて絶滅する個体も生じる。
大江川右岸②1IMG_5018 (640x427) 大江川右岸③IMG_5020 (427x640)
さらに河口部まで行ってみました。名古屋高速の下の開橋。工業地帯と名古屋港、この辺りに防潮壁を新設し、それより上流部を埋めてしまう。いつ出るか分からない「リニア工事残土」で。3年前の記事を見つけました。こちら
この途方もない大工事、完了まで何年かかるのでしょう。地震は(自然は)ヒトの都合に合わせて待ってくれませんよね。関東大震災100年特集が放映されました。今の名古屋市、学んでないのじゃないですか。
開橋から上流IMG_5026 (640x427) 開橋から河口IMG_5039 (640x427)
地球上の《絶滅危惧種》を生み出した要因の多くは《ヒト》によるものでしょう。発見を評価する反面で、その種がどうして絶滅に至ろうとしているのかを省みる必要があると思います。簡単に「保護」「移植」を選択する前に、自らの行為を謙虚に見直す。
どうすればいいのかをみんなで考え直す。そのための情報を行政やメディアや専門家や政治家は発信し、人びとに問いかける責任があるのではないかと思います。そうしたことを疎かにして、二者択一の結論を急いだり既定路線にこだわったり、あげくは狭い利益を守ろうとしたり。そうしたことが私たちの未来を危ういものにすると考えます。

相生山の道路のことを考えるとき、未だに「人のいのちとホタルとどっちが大事か」と問うてくる人が少数ながら存在します。私たちは答えます。人のいのちが大事だからこそ、ホタルのいのちを大事にしようとするのです。
タケノコカワニナの警告を、私たちはきちんと受け止めようとしているでしょうか。

    by Oak.

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生きるものたちの現場

北の散策路 落ち葉の階段道に 
野鳥のものらしい 羽根が数枚
羽根IMG_1245 (640x427)
その先 辺り一帯に 大量の羽根と羽毛のかたまり
尋常でない雰囲気
誰かが襲われて いのち落した現場に違いない・・・
かなり大型 灰色と白と一部青緑の綺麗な羽根の持ち主
いのち奪ったのは たぶんタカ(鷹) ここが調理場
羽毛IMG_1247 (427x640) 羽毛_羽根IMG_1249 (427x640)
前方に遺体がありました 平べったい嘴・・・水鳥カモ類
内臓部分は失われているものの 身体は残っている
・・・・ジャマが入って 運べず放置したのか
肉食のほ乳類? 横取りしようとしたカラス(鴉)集団? 
それとも 早朝の散歩人?
遺体IMG_1243 (640x427)
血が流れ いのち逝った現場は 
生々しく残酷ではあるけれど 野生の生きざまの証し
食物連鎖の一コマ
邪な「利」のために 殺し合うヒトに比べれば 温かです

   by  Oak.

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「自然を良くする」なんてあり得ぬ話

すでに何度も書いてきたことですが、コナラ(小楢)樹林の真中で伐採地が広がっています。この11月の末にも、ずいぶん樹木が切られました。
11月伐採地IMG_9782 (640x427) 伐採エリア①IMG_9778 (640x427)
名古屋市の「森づくり」の方針では「動植物の種数が多いのは成長段階にある明るい森」という一面的理由から、「木が大きく茂ると森の中は暗くなり、林床の植物やそれを求める動物が姿を消す」との認識のもとに、「森の手入れ」が推奨されているようです。
伐採木IMG_9783 (640x427) 伐られた木IMG_9779 (640x427)
「手を入れる」ことが善で、そのままにすることが悪であると決めつけることで、相生山の樹林が変えられていきます。
伐られて積まれている樹種を見ると、常緑低木で株数の多いヒサカキ(姫榊)、次世代を担うアラカシ(粗樫)、相生山の特徴であるシャシャンボ(小小坊)に交じって、ガマズミ(莢蒾)やハギ(萩)の仲間など落葉低木も含まれていることがあります。高木コナラの樹林の低木層を一網打尽にしているようです。
そうして、見た目すっきり、「達成感」を得る景観が広がっています。それは本当に「生物多様性」を保障したことになるのでしょうか。
一例ですが、そろそろ寿命が近づいているコナラ林の後のことは、どう考えているのでしょう。自然の遷移に逆らう「保全活動」の数十年後をどう描いているのでしょう。先例はあるのでしょうか。
また、園路と樹林地の境が不鮮明になって、人びとの踏み込みが生きものたちを脅かしてはいないでしょうか。
伐採エリア②IMG_9780 (640x427) 伐採後区画IMG_9909 (640x427)
「森を放置すれば自然が悪くなる」「人の手で自然を良くする」・・・なんと思い上がった考え方でしょう。人が「荒れている」とか「ひどい状態」と感じようとも、それはその段階の自然です。自然は自らの不都合を自ら修正していくでしょう。自然とはそういうものではないですか。人の手が入った時点で、それは自然ではなくなります。
「自然を良くする」は人の勝手な言い分で、そんなことをしてもらわなくても自然は永遠に存在し続けます。人が出来ることは、今ある自然を壊さないようにすることに尽きるのではないでしょうか。

   by アイ

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3日保ちませんでした!

今朝一番の相生山ウォッチャーさんからの報告
「昨日の記事のスズメバチ調査中地点、破壊されていました」 記事:こちら
表示を見つけてから 2日しか経たないううちに
警告の表示や説明文 調査中の掲示物 立ち入らないように張られた境界など
すっかり外して 大きな空き缶に突っこんであったそうです 
 下2枚の画像は数日前 元気なときのモンスズメバチ(紋雀蜂)働きバチたち
モンスズメバチIMG_7566 (640x480)
「ヒドイ!と思ったのは巣のあったと思われる木の根っこの洞に石ころがギッシリ詰められていて、あたりに殺虫剤の匂いが漂っていたこと」「巣に帰ろうとして入れない子が2匹、異常事態の入口の前を飛び回っていたのが可哀想で・・・」「あんなにされたら、中の女王蜂とか育てられてた子たちも全滅だわね」
モンスズメバチの巣image_6487327 (640x479)
相生山には色んな人がやって来ます
ほとんどは 自然の中にいることを感じ そのままを悦び楽しんでいる人びと
中には 自分の価値観を押し付けようとする人も 少ないけれどいます こちら
今回は ≪スズメバチ=危険→駆除≫と短絡思考の人が 掲示文も読まず
良かれと思ってやったのでしょうか 殺虫剤を持って出直すなんて念入り
ありのままの自然を受け止めず 受け入れることが出来ず 
自分に都合のいいものは認める 不都合なものは抹殺しても構わない 
人間こそが最強で 生殺与奪の権を握っているなどと 
思い上がらないでください
自然の中から生れて来た ほんの小さなウイルスにも戦々恐々としているくせに

人と野生生物の良い関係を求めるべく 調査研究してきた学生さんには
「こんどは警告などせず、内密でやればいいよ。被害に遭ったら自己責任、と言ってあげよ」
残念ながら 激しく同感です

   by  アイ

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名古屋市のセンスは?

名古屋市外にお住いの 熱心な読者の方からのメッセージです
相生山緑地の散策人の多くが懸念するエリアの 画像と共に ご紹介します
展望地IMG_7747 (640x427) アカマツ林再生IMG_7798 (640x427)
(庄内緑地公園方面展望地, 隣接して「アカマツ林再生のため」の伐採地:関連記事こちら)

庄内緑地公園に10年以上前からよく行っていましたが 
公園の様子がどんどん変わっていきます。

公園の中に若者向けのボード?の練習コースができたり
コロナの影響で利用者が増えたからか 
俄に屋外大宴会場のようなテーブル・イスが設置され
何十年前に植えたのか分かりませんが 大きなヒトツバタゴの木が
何本も伐られ整地され 綺麗なトイレになりました。

人が植えて 人が愛でて 人の都合で伐採する。
それを横目で見て 名古屋市なんだかセンスない!と思いました。

相生山もそんなことにならないようにと 切に願います。  (西春女子)


北尾根伐採地IMG_7803 (640x427) 畑作地IMG_7806 (640x427)
(北尾根のベンチ周辺ごっそり伐採:記事こちら, 樹林地内に広がる「里山景観のため」の畑作地)

名古屋市の「相生山緑地計画検討会議」で 他団体・個人の方ともども
「画一化された公園緑地ではなく、相生山の独自性を大切に」
「誰もが親しんでいる相生山の現状を、むやみに改変しないよう」
くり返し強く 主張し続けてきましたが 
市は受け止める器量(センス)を持っているかどうかが 問われているのです

   by  アイ

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哀しそうに見えます

相生山緑地のザイフリボク(采振り木)異変 こちら 
2カ月たって その後の経緯 こちらの記事と前後して 
この措置をとった団体からの掲示が出されました
ザイフリボク②IMG_7494 (427x640) ザイフリボク①IMG_7492 (640x427)
相生山ウォッチャーたちの感想から
「気づいて早い時期から『連絡先』に意見は伝えたんですけど。あれでは強い日射しや高温や大風なんかに負けてしまうんじゃないかって。そのことには触れられてないわねえ」
「言葉が専門的すぎて――わざと素人には分からんように書いてるのかもしれんけど、よく理解できんかった」
「ザイフリボクだけがひょろんと1本。不自然で哀しそうに見える」
ザイフリ表示IMG_7493 (640x427)
①ザイフリボクは名古屋市のレッドリストにあげられている絶滅危惧種
②その生育に適した環境にするために・・・・と書かれています 
拡大IMG_7493 (2)
この子は 誰か(たぶん鳥)によって 何処からか連れられて来て
ここに落され芽生えて ここの環境で育ってきた ← ここまでは自然
(ここには色んな人も来るから)「希少種がある」とか騒がずに 
目立たせぬように注意して 自然に任せてきました ← 私たちの姿勢

それを「(希少種である)ザイフリボクのために」と
周りの環境を変えた 人たちがいます
そのことの責任は その人たちがとる覚悟がいりましょう
自然を人為に換えたことで 相生山のザイフリボクは自然ではなくなりました
「哀しく」見えるのは だからだと思います

    by  アイ

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プロフィール

森の妖精  アイ

Author:森の妖精 アイ
名古屋の相生山(あいおいやま)緑地 大都会に残された貴重な森のことをたくさんの方に知っていただくため情報発信していきます
人と自然の関わりについて ときに思いを述べます ご意見コメントいただければ嬉しいです
 
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