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【考察】相生山緑地のヒメボタル(六)

喫緊の課題
相生山緑地の自然、その象徴のヒメボタルだけでみても、①事実・実情確認、②生育環境破壊への対策、さらに③マスコミを含む広範な市民へのアピールなどを急いで実施する必要があると考えます。
そのために、④「ヒメボタルの森を守る」ための体制づくり=センター(司令塔)設立が求められていると考えます。このことは既に2017年6月に名古屋市長にも提案しました。提案書:こちら
相生山のシンボルコナラIMG_3179 (640x427)
事態はますます重要度を増していると、ことしの相生山のヒメボタルを調査観察して痛感しました。
ことしの気象が「異常」であったとして、そのためにヒメボタルたちが子どもを産むことが出来なかったら、来年以降は暗いです。一時の「異常」を乗り越えられるほどの余裕を保障して初めて、自然環境を大事にすることになると思います。それは私たち自身を大事にすることにつながります。  完

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【考察】相生山緑地のヒメボタル(五)

誰が総括的にみているか
見物(≒観察)人は多い。個人的趣味(一部は職業的)の撮影者も急増。けれども、ヒメボタルの成育史・生態系までを学んでから緑地に入る人は少ない。
「今年もそろそろシーズンです」「××地点で見られます」「現地ではボランティアさんがいる」といった無責任なweb情報頼りで、地理や持ち物についての予備知識さえ無しでやって来て、森の中で迷子になりそうになったり、明るい電灯を振り回したりする人のいかに多いことか。
梅畑IMG_3629 (640x427) 人工林踏み分け道IMG_3641 (640x427)
大きな機材を持ち込み、散策路の真ん中にどっかと陣取り、注意されてもなお他の人のことなど意にも介さないカメラマン。中には意図的か無知のせいか、樹林内のヒメボタルの生殖地まで入り込む人も後を絶ちません。「人が少なくなった深夜、マナー違反が横行する」報告も届いています。
緑地の周辺道路には違法駐車が目立ちます。週末にはパトカーも出動しました。
山根口IMG_3618 (640x427) 相生口IMG_3712 (480x640)
こうした傾向を抑制する手だてはとられていません。というより、誰がそれを為すべきかが定まっていない。その問題意識さえ持たれていないのが現状ではないでしょうか。

「ホタルを見に(撮りに)来る」人はホタルのことだけ、昼の森には興味ナシ。「森が荒れるから森づくり」活動は木や竹を伐るけれど、足もとに生きるホタルのいのちには無関心。ましてや、「名古屋という大都会の中の相生山」、緑地内や周辺に暮らす人びとへの想像力、今だけでなく未来を見通そうとする発想、そうした大局観には誰もが未だ未だ縁遠い。
水路IMG_3636 (427x640) 雨の夜IMG_3617 (2) (640x427)
誰が全体として「相生山を大事にすること」について視ているのか?
誰もみていない、それが現状です。


名古屋市の「緑地計画」について
行政の目的意識は「市民サービス」が優先だからでしょうか。緑地の「基本計画構想」も、利活用に偏らざるを得ないように映ります。
調査中IMG_3439 (640x427) 樹林園路IMG_3640 (427x640)
緑地の自然環境の把握、生態系の理解、維持管理する手法についての考慮が極めて弱いように思われます。本当は、そこを大事にすることが、回り回って市民のいのちと暮らしに返ってくるにもかかわらず。(つづく)

   by  Oak.

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【考察】相生山緑地のヒメボタル(四)

(前記事からつづく)
こうした「森づくり」による破壊、「見物」「撮影」による脅威、などからヒメボタルをどう守るか。今それが重要な課題であることを提起したいと思います。
掲示IMG_3638 (427x640) 表示IMG_3593 (640x427)
ことしは天白土木事務所に「ヒメボタルの時期前に注意掲示を増設」することを依頼し、これまでになくきめ細かい対応が実施されました。しかし、それは応急的で限られたものであって、根本的な問題解決ではありません。

また、いっそう重要な留意点は、私たちは空間を飛ぶ♂の光は見ているが、羽化後も大きく移動できずに地表にいて産卵する♀の姿はほとんど見ていないということです。植生であれば何年かすれば回復することもありますが、ヒメボタルの♀に危害が及んだら、産卵の場が壊されたら、飛べない♀には子孫を守る術がありません。「数年見られなくても餌が増えたら出てくるさ」というようなことではないのです。

ヒメボタルサンドラ2019-05-19_Nagoya_hotaru_80D_0031_SHF-Edit (800x571)

ヒメボタルと相生山
当たり前のことですが、ヒメボタルは単独で生息しているのではなく、地形や地質・樹林の状況・幼虫の食餌である貝などの小動物・気候気象など、複雑にからみ合う生態系のなかの一種として生存しています。
ヒメボタルだけを「大事」にしても、その環境をないがしろにしては生息できません。ヒメボタル以外の森の状態、さらに相生山緑地をとりまく諸条件も重要です。
保全生態学では「その魅力によって、その生育場所の保存を世間にアピールできる種」をflag-ship-species(=象徴種)と位置づけます。相生山のヒメボタルはまさに、相生山緑地と周辺全体の自然を大事にしていくための象徴です。
多様な人びとIMG_3463 (640x427) 最近、CBCテレビの番組に取材協力し、そのスタッフたちとの会話や放映後の視聴者の反応から、このことは改めてはっきり学べました。ことさら声を大にして「自然破壊するな」と言わずとも、夜の森に生きるヒメボタルの光の美しさは、出会ったそれぞれの人に「今ある自然を残したい」と強く自覚させるものだったようです。(つづく)
※参考に:CBCテレビの記事と映像、yahooニュース こちら

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【考察】相生山緑地のヒメボタル(三)

注意すべき点 ⋆⋆⋆⋆ 具体例と問題提起
ヒメボタルが見られなくなった、あるいは減少傾向にある場所の共通点があります。それは人との関係です。前項に照合します。一部、現場周辺の昼間の画像を参考に貼ります。
①山根口IMG_3627 (640x427)
①では、かつて山根口入口まで「谷底からホタルが湧いてくる」状態でした。それが次第に見られなくなったのは、「竹薮整備」以降です。人が入って大規模に竹を伐り、伐った竹を放置し、そのまま経過するうちに、復元力の強いタケは以前にもまして繁茂し、林床に出来たスペースには先駆植生が入り込みました。こうした森林の変化がヒメボタルの消長に大きく影響しているのではないかと考える一例です。
②梅畑西端IMG_3631 (640x427) ②サクラの園IMG_3633 (640x427)
②はカメラマンが列を為し密集する「撮影ポイント」でした。梅畑ですから若干の除草剤散布はずっと以前から続いていたと思います。この2年ほどで、ほとんど見られなくなったのは、手前の畑地面積が増えたこともありますが、後背地の低木樹林を「来る人が喜ぶよう」「森づくり」のためにと大規模皆伐されていったのと時期が一致しています。日照条件・乾燥化が進んだこととの関連性が推察されます。また、あまりにも多くの撮影者が梅畑の際まで入り込んだことによって、産卵地が失われた可能性も考えられます。
③シンボルコナラ前畑地IMG_3646 (640x427) ③シンボルコナラ下ベンチIMG_3628 (640x427)
③の北面は①の竹薮です。それにも増して大きい変化は南面の草地が「里山景観のため」畑地に替えられてからです。広がった畑地部分では、土壌が掘り起こされ篩いにかけられ、生まれ変わった「里山」にはホタルが1匹もいなくなりました。このことは名古屋市の担当部署にあらかじめ警告したのですが、畑づくりに熱心な人びとは森林の生態系には無関心です。世界史上 agriculture(=農業)は森を破壊し遂には文明を消失させたことの、小さな再来が起こっています。
深夜ベンチに座って体験できた「360度光の舞い」は、完全に失われました。
④伐採地IMG_3637 (640x427) ④橋梁遺構IMG_3661 (640x427)
カメラマンや見物人の集中では④⑤地点も今後危うい状態です。④では①同様の「竹藪整備」の後年から減少傾向が現れました。せっかく「相生山の都市計画道路」が建設中止になって、植生が復活してきたのに、一方では森林破壊が進んでいる感があります。⑤では「道迷い」の見物人が園路を外れ、ホタルの舞う人工林内へ入り込むことがしばしば行われます。
⑥竹藪前園路IMG_3643 (640x427)
⑥は入口に近く、ひと言でいえば、人の圧力が野生生物であるヒメボタルを圧迫しているのではないかと考えられます。すでに述べた①~⑤の問題点のほとんどがここにも当てはまり、ことしは特に急激に見られなくなりました。昨年まではピーク時には相生口の草むらまで多数出ていたのが、ことしはほんの数匹だけでした。

⑦⑧では大きな変化は見られません。ことし多く見られる日が少なかったのは気象条件が要因だと思われます。数が大きく減っていないのは、人による影響が少ないからではないかと①~⑥と比較して判断しています。(つづく)

相生山で出会った新しい友人から、撮影したヒメボタルの画像提供を受け、ホームページに掲載しました。こちら    by Oak.

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【考察】相生山緑地のヒメボタル(二)

名古屋市の「ヒメボタル分布調査」について
緑政土木局道路建設課を中心に2002年から行われて来た「ヒメボタル調査」では、「横ばい」とされているようです。この調査は一つの参考資料と考えられなくもないですが、不充分性も否定できません。
ホタル掲示IMG_3126 (480x640) (2) ツツジの園IMG_3634 (640x427)
その理由は ①区域的に「道路予定地」中心で南部の樹林地・住宅地などは対象外であること、②時間帯は22時~24時、数グループが複数個所で、目視計測という手法、の限界があること、③飛翔数をとらえたとしても、「飛べない」メスの実態が全く把握できないこと、④その年のピーク時の状態を記録するにとどまっているので、〈発生から終了までの〉全体像は見られず、各年の傾向、経年の変化も部分的なものにとどまっていること、などです。

しかし、相生山のヒメボタルの状況をデータとして示せるのは、この調査だけではないかと認識しています。他に、大学の教育実習として相生山のヒメボタル幼虫調査が実施されたことがありますが、数か所・数年限りのものでした。
相生口竹薮IMG_3649 (640x427)

ここ数年の傾向
ことしの結果で前述したことは、近年の傾向でもあります。①短期間、②各区域いっせい、それこそ「蛍のように」儚く短命。
かつてよく見られた場所は ①山根口近くの竹薮 ②尾根上の梅畑西端 ③梅畑東(シンボルコナラ周辺) ④稲田口付近 ⑤人工林沿い谷筋 ⑥相生口竹薮 ⑦南部樹林内 ⑧南部住宅地 などでした。このうち、ことしは①~③ではほとんど見られず、⑥も激減でした。これは2~3年前からの傾向です。
10年程前では、よく見られる場所が年ごとに変わったことがありましたが、最近はそういう変化はなくなりました。(つづく)

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【考察】相生山緑地のヒメボタル(一)

相生山緑地のヒメボタルの消長について
ヒメボタルSandra2023-05-27_Nagoya_himehotaru_R6_0351_SHF-Edit (800x533)                     
「相生山の四季を歩く会」の2023年調査観察を終え、他団体の方もふくむ10名ほどの「ヒメボタル-ウオッチャー」からの情報も加えて考えてみました。関連する画像を付け、何回かに分けて掲載します。
充分なデータと考察による結論、とは言えない面もありますので、皆さんからのご意見をいただければありがたいです。たいせつなことは、今いっしょに考えたいということです。

2023繁殖期の成虫観察結果
あくまでも目視による観察の結果ですが、激減しているととらえています。ある日ある場所ある時間に、「たくさん見られた」印象はあるかもしれません。けれども ①たくさん見られる日がどれだけあったか、②たくさん見られる場所がどれだけあったか、を過去と比べると「激減」です。ことしのピークは5月20日から21日にかけての深夜。そして翌日から2日後には降雨・気温低下もあって半減したという情報です。
参加者①IMG_3607 (640x427) 10年以上前は、各場所でピークは4~5日は続き、場所が移動していき、緑地内のどこかで「たくさん見られる」状態が3週間は続いていました。ことしのピークは緑地全域で同日に1度きりでした。つまり、総数において「減ってしまっている」というのが結論です。(つづく)

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森の妖精  アイ

Author:森の妖精 アイ
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