「森の手入れ」を考える(7)


 最後の検証は、もっともらしく語られている
 【主張3 : 手入れして管理しないと森が荒れる】
 についてです。

 「荒れる」とはどういうこと?
 
「自然が荒れる」と表現してあるのを目にすることがあります。荒れるという言葉はどんな意味があるのでしょう。辞典は大きく分けて二つの意味があると言っているようです。
 A 穏やかな、または整った状態が失われて乱れる
 B 傷み、損なわれて、だめになる

 自然は放置すると、植物は遷移をはじめ、遷移した植生と馴染みが深い動物たちが生息を始めます。これは自然の穏やかで当然の成り行きで「荒れる」と表現するものではないと思います。

 例えば、人為的に「木を切り倒す、堀返す、枝を切る」などは「自然を荒らす」と言えるので、《二次林の伐採を続けると森があれる》と言えるかもしれません。
 また、自然の中に他所から竹などを持ち込んで、その後竹がはびこった場合は「人によって竹が持ち込まれ、整った状態の自然が変化した」という意味で、「荒れる」と言えるかもしれません。

予定地1 放置された人工林と竹やぶ(稲田口) 

 檜や杉の人工林は、ある意味では木の畑です。だから、手を入れて管理をし続けないと荒れます。 
 「手を入れないと森が荒れる」という表現で、的を射ているのは主に杉・檜の人工林のことで、間伐手遅れ林が今では大きな問題になっています。

 二次林を萌芽更新して人工林として管理していたなら、これは人工的なものですから、放置した場合「荒れる」という表現はできます。しかし日本ではこうした例はごく一部分で、愛知県ではほとんどなかったことから、やはり一般的には使うべきではないと思います。

    菅田集落 双子池から菅田集落

 「里山が荒れる」という表現は、畑・田・家・道路など人工的に整備されていたものが壊れてゆくのは「荒れる」と言ってもいいのでしょうが、森の部分は当たりません。むしろ人工のものも含めて、里山全体は《自然が戻ってくる》と表現できるものです。

 私は「里山が荒れること=常緑広葉樹が復活する」というような表現を何回か読んできました。そのたびに、その作者の国語力と自然に対する知識にいつも戸惑いを感じてしまいます。

           by  てんてこマイマイ

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genre : 地域情報

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